Open Web Board とか TWE-Lite とか

11月1日開催の Open Web Board と Gluin のイベントに参加できることになりました!

もう明日に迫っているのですが、これに備えて(?) 最近さわっていた TWE-Lite (トワイライト) のこととかを書きたいと思います。

Open Web Board / Gluin

Open Web Board と Gluin の良さげな記事をまとめました。この辺りをおさえておけば現時点で公開されている情報としてはバッチリかと。。。

Open Web Board と Gluin については 10月3日の発表時から気になっていました。10月5日に開催された Mozilla Open Web Day では KDDI さんの展示で実際に動いている様子を見て、以下のようなお話を聞くこともできました。

  • Gluin とデバイス間は WebSocket で通信する。
  • Open Web Board には ZigBee でつながるセンサーデバイスを仲介して WebSocket で Gluin と通信するためのゲートウェイが入っている。
  • Gluin は node.js で動いていて、オープンソース化する予定。

Open Web Board は販売予定がないということなので、ボードがもらえるイベントには絶対参加したいと思っていました。とても楽しみにしています。

ZigBee の USB ドングル

さて今回のイベントにはアイデアソンもあるとのことで、Open Web Board / Gluin で何ができるか考えてみようとしたのですが、センサーがないとあまり何もできないような。。。

そこで、センサーデバイスと通信するのに Open Web Board に差している ZigBee の USB ドングル。あれが何なのか画像検索で探していたら、そのものズバリ、同じ物が見つかりました。ToCoStick というものです。

TWE-Lite (トワイライト)

調べてみたら ToCoStick は TWE-Lite (トワイライト) という ZigBee 内蔵マイコンを USB ドングルに載せたものでした。

TWE-Lite についてはこちらのブログ記事も分かりやすかったです。

けっこう情報が多く、電子工作未経験の自分でも何とかなりそうな気がして、早速、本やパーツを買って試してみました。

書籍

公式サイトにも色々情報がありますが初心者にはちょっと分かりづらいため、この書籍はとても役立ちました。初めて触る人は必携だと思います。

特集の『楽しい電子工作』が役立ちました。特に Part 1 の『猫ツイートを再現!』がまさに TWE-Lite を使ったもので非常にタイムリー。また、Part 2 の『はじめての電子工作ステップ50』も未経験者には丁度良い記事でした。実は、11月号は私が書かせて頂いた Flame 特集記事の第2回が載った号で、編集の方からの頂きものが手元にあったので非常に助かりました。

パーツ

『TWE-Lite ではじめる カンタン電子工作』で勉強して必要な物を確認し、休日に秋葉原にパーツを買いにいきました。リンクは実際に購入した店舗のものです。

L チカのために親機/子機として TWE-Lite DIP を 2 個と、USB ドングルの ToCoStick 1 個。そして、その他、必要そうなものを買いました。

やってみた

実際にいじってみました。電子工作自体、初挑戦です。

L チカ

電子工作の Hello World! とも言われる L チカ (LED チカチカ) です。初心者なので素直にここから始めました。 LED がある方 (上段) が子機、スイッチのある方 (下段) が親機です。

チカりました!

スイッチの形状が書籍と異なるものだったので少し戸惑いましたが、それ以外は問題なく出来ました。ただ、負論理で組まれている回路なので、最初がこれだと初心者には原理が理解しづらかったです。

ToCoStick の PC 接続で UART シリアル通信 (Mac OS X)

公式サイトの『TWE-Lite DIP使用方法(上級編)』書籍では Windows で TeraTerm を使用する方法が説明されています。しかし、手元には Mac OS X しかないので、それで試しました。

■ ドライバのインストール

公式サイト等の情報からはちょっと分かりにくいのですが、仮想 COM ポートを使うため FTDI 社の VCP (Virtual COM Port) ドライバをインストールする必要があります。

ダウンロードした FTDIUSBSerialDriver_v2_2_18.dmg には2つのファイルが含まれます。

  • FTDIUSBSerialDriver_10_3
  • FTDIUSBSerialDriver_10_4_10_5_10_6_10_7

OS X v10.3 Panther 用のものと、それ以降のバージョンのものです。(ファイル名には v10.7 Lion までしか含まれませんが、それ以降も大丈夫っぽいです)

ドライバを入れたらデバイスファイル "/dev/tty.usbserial-AHX08ABA" が追加されました。

■ シリアル接続

ターミナルから以下のようにシリアル接続します。

$ sudo cu -s 115200 -l /dev/tty.usbserial-AHX08ABA

切断するときは ~ (チルダ) を入力し、プロンプトみたいなのが出たら . (ピリオド) を入力します。

出力例:

出力される : (コロン) から始まる 16 進文字列は子機からのコマンドです。ToCoStick は出荷状態で親機として設定されているので、子機のコマンドを受信して表示します。

コマンドの読み方の情報はこの辺りにあります。

なお、書籍では他の親機からのコマンドも表示されるように書かれていましたが、実際にやってみたら表示されませんでした。

そこで、L チカで親機にしていた TWE-Lite DIP を子機として設定してスイッチを押したら ToCoStick がコマンドを表示するようになりました。さらに ToCoStick の LED も光りました!これは ToCoStick のデジタル出力1 (DO1) が LED (赤) に接続されているためです。

プログラムから操作 (Mac OS X)

PC に ToCoStick (親機) が接続されていれば、子機の TWE-Lite を操作したり、子機の TWE-Lite に接続されたセンサーのデータを受け取ることができます。Python で pySerial を使えば簡単にプログラムで操作できるようになります。

■ pySerial のインストール

pip が入っていれば、簡単にインストールできます。

$ pip install pyserial

pySerial のドキュメントはこちら。

■ コマンドの受信スクリプト

コマンドを受信してプリントします。

#!/usr/bin/env python
import serial

DEVICE='/dev/tty.usbserial-AHX08ABA'

s = serial.Serial(port=DEVICE, baudrate=115200)

while True:
    line = s.readline()
    print line.strip()

■ コマンドの送信スクリプト

コマンドを送信して L チカの子機を操作します。手抜きですが、引数 "ON" で LED 点灯、"OFF" で消灯します。

#!/usr/bin/env python
import sys, serial

DEVICE='/dev/tty.usbserial-AHX08ABA'

if sys.argv[1] == 'ON':
    cmd = ':7880010101FFFFFFFFFFFFFFFF0D'
elif sys.argv[1] == 'OFF':
    cmd = ':7880010001FFFFFFFFFFFFFFFF0E'

s = serial.Serial(port=DEVICE, baudrate=115200)
s.write(cmd + '\r\n')
s.close()

4 バイト目 (16 進文字列の 7, 8 桁目) でデジタル出力の状態を指定します。下位 4 ビットが下からそれぞれ、デジタル出力の DO1/DO2/DO3/DO4 に対応します。ビットが 0 で Hi, ビットが 1 で Lo となります。スクリプトでは引数 "ON" で 4 バイト目を "01" (DO1=Lo) に、"OFF" で "00" (DO1=Hi) にします。L チカの回路は負論理なので、DO1=Lo で点灯します。ややこしいです。。。

コマンド送信についての情報はこのあたりにあります。

おわりに

とりあえず、Open Web Board がもらえたら何かできそうな気がしてきました。次はアナログ入力で照度センサーを使ってみたいと思います。ところで、Android だとUSB ホストのシリアル通信については android.hardware.usb あたりで色々できるようですが、Firefox OS の Open Web Board はどうなってるんでしょうね?WebAPI が用意されているといいのですが。。。

Published: October 31 2014

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